●有機小麦作り
我が家から車で20分程離れたところに畑を四反借りた。地元でトマトを栽培している林さんからの紹介だが、かつてはスイカを栽培していたとのことだがここ数年耕作を放棄されていて背丈ほどの雑草がはびこる状態。
小麦の種蒔きは10月中旬だが、その土づくりのために“田助”という草の種を蒔く。田助は根を深くはるため畑の排水性がよくなるのと、根粒菌という空気中の窒素を固定する微生物と共生するので植物が成長するために不可欠な窒素が自然と供給される。もちろん大量の有機物が土に還元される。
まずは雑草を刈り払い、ハンマーモアーという機械で雑草を細断する。地面がデコボコなのとヘアリーベッチというカラスノエンドウに似た蔓性の草が機械にからまり思うようにはかどらない。開拓者の気分を味わいつつ作業をする。
パンやうどん、小麦粉にかぎらずなんでも安く簡単に手に入る世の中で畑を開墾し小麦を栽培し自家製粉し小麦粉を得るのは時代に逆行するだろう。しかし今の飽食の時代はいつまでも続かないだろう。そうした危機感が私を小麦栽培にかりたてる。
山崎一之さんに世界一高い小麦粉とからかわれながらの小麦栽培をこれから折に触れて報告していきたい。