2013/05/22
●あとは我が家のみ
五月も二十日を過ぎるとほとんどの田んぼには苗が植え終わり、大抵の農家は田植えの後片付けも済ませ一息いれているところだ。ところが僕たちの田植えは六月に入ってからの予定。別にひねくれて遅くしているというわけでもない。育苗のやり方が違うだけである。一般的には苗の本葉が二枚から二枚半の時期に植え始めるが、僕が使っている“みのる式田植機”は本葉が五枚から五枚半まで苗を大きくして植える。本葉三枚分の時間差が種を同じ日に播いたとしても、田植えが二週間程遅くなる理由である。大きい苗を植えることのメリットは、雑草との競合にも負けにくくなること。代掻きをして田んぼに草がない状態にして二週間生育の進んだ苗を植えれば、二週間の時間を稼いだことになる。二つ目のメリットは、草丈が長いため水を深く張ることができる。水が深い状態では難敵雑草の一つ“ヒエ”は生えることができない。
近頃は省力化がもてはやされているようだが、省力化を手抜きと履き違えていることがしばしば見受けられる。“苗半作”言わずもがな有機稲作の基本である。