2012/12/15
●定位置
「冬場は何をしているんや?」これはよく聞かれる質問である。雪国の稲作農家は冬の間、仕事もなくゴロゴロしているように思われてもしょうがないが(ほかの季節と違い作業に追われての目の回るような忙しさはなく、子供達や友人とスキーを愉しんだり、本を読んだりするゆとりはある)、それでもそれなりに忙しくあっちこっちと駆け回っている。注文が入ればお米を出荷をしたり、機械の整備をしたり、あるいは味噌作り教室を開いたりと結構多忙なのである。
そして冬の主たる仕事は大豆の選別である。収穫乾燥の後、農協の機械を借りて選別するがそれだけではどうしても肌の汚いもの、あるいは虫喰いなど混じっているため再度の手選別が必要になる。そこで作業小屋においてある蒔きストーブの前が僕の定位置となる。NHK第一ラジオを聴きながら、ストーブに向かい右手に選別前の大豆の入った袋とクズ大豆を入れる袋を置き、左手に選別後のきれいな大豆をいれる袋を置く。
循環農業実践する私たちにとってクズとして出てきた大豆は貴重な資材で、粉砕して自家製発酵肥料の材料とする。