なばたけ農場

なばたけ通信

2013/01/ 2

●初仕事

寝ている時に布団の重みを感じられないと落ち着かない僕は毛布の上に昔ながらの綿ぶとんを二枚、さらにその上に羽ぶとんを二枚かぶせて眠る。そうでもしないと築後数十年経過し隙間風の多い、吹雪の日は雪が吹き込んでくる我が家では凍えてしまう。一番応えるのは床の冷たさ。床板と畳を境にそこは冷たい風が吹き荒ぶ“外側”。そのためじんわりと上がってくる冷気で目が覚めることもある。以前にはなんともなかった寒さが応えるようになり、もう若くはないと痛感する。

そして、今年の元旦は障子を透して差し込んでくる雪あかりと底冷えを感じて目覚めた。横にはこの寒さの中、布団を蹴り上げて寝ている四人の息子。こいつらはどういう身体をしてるんだとまじまじと見る。しばらく布団の中でもぞもぞしていたが「エイヤー」と気合を入れ這い出る。外をみると予想をこえた雪景色に驚く。そしてさらに積もりそうな雪の降り方だ。

家族揃って御仏壇を拝む。それから食卓について年初めのあいさつを終えて、おせちや雑煮をつつく。その間も一向にやむ気配のない雪に観念して箸をおき、スキー用のズボンをはき、フリースの上からゴアテックスのアウターをはおり、ネックゲイター、ニットの帽子、ゴアテックスの手袋と完全フル装備をして手に“ばんば”(庭木に積もった雪を落とす道具。正式な呼称は知らないが我が母はこう呼ぶ。)を持ち外に出る。この格好をしたかっただけという声もある。雪下ろしをするほどでもないが「後悔先に立たず」、庭木が折れてしまっては後の祭り。

およそ三十分にもおよぶ雪かきを終え、ほどよい汗と作業をやり終えた満足感につつまれていると、雪も止み日が差し始めてきた。結局雪かきは徒労となったようだが、いい運動になったということで良しとしよう。


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