2013/01/29
●石窯料理
石窯でパンを焼くとだいたい2時間程は火を焚く。一回あたりおおよそ二抱えの蒔きをくべることになる。それで焼けるパンは小麦粉にして1.2kg、お椀ほどのパンが10個。これだけのために2時間蒔きを燃やすのは、はっきり言ってもったいない。パン焼き以外にも窯を熱くするために費やしたエネルギーを有効に使いたいと考えるのは極自然であろう。
そこで 今回試みたのは、焼きりんご。山形の倉田さんから戴いた紅玉がまだ数個残っていたので思いついた。りんごの芯をスプーンでくり抜き、中にバターと蜂蜜を入れ、そしてシナモンを少々ふりかける。くるみレーズンのパンが焼きあがり、窯から取り出してからりんごを入れる。中からバターがジュージュー溶ける音と甘い香りが否が応でも食欲をかきたてる。待つこと10分。窯の扉を開けると、夕焼け色のりんごのくり抜いた穴の中やお皿の底で、溶けたバターと蜂蜜、りんごのジュースが混ざりグツグツ躍っている。そんな光景と甘い匂いに思わず歓声をあげる子供たち。
石窯に蓄えられた熱はそれでもまだ相当なもので、それを有効に利用しようと小豆を土鍋にいれ窯に突っ込む。翌朝見事にやわらかく煮えており感動。